「こんな対策本、見たことがない」
2013年も終わりにさしかかるこの時期に、驚きのTOEIC対策本が出ました。
The Japan Timesから出版された新書サイズの「鉄板シリーズ」です。
今日はその中の一冊をご紹介します。
■TOEIC TEST 鉄板シーン攻略 文法・語彙
(横本勝也著、ヒロ前田監修/The Japan Times)
この本がぼくを驚かせる理由は、監修のヒロ前田先生が「はじめに」で語っています。
世の中には、Part 5とPart 6形式の練習問題を提供する本がたくさんありますが、この本のように、全体が1つのストーリーになっている本はないでしょう。これは、きっと世界初の試みです。
え?って感じですよね。
正直、タイトルから想像していた以上のものでした。
(これはタイトルからではわからないということの裏返しで、少しもったいない気がしています。「はじめに」までたどり着けばいいのですが。)
一見すると、ただのPart 5,6対策本なのですが、それぞれのPartの問題をうまく織り交ぜながら、
一冊でストーリーを作っているのです。感動すら覚えました。
構成は以下の通りです。
EPISODE 1 人事
Scene 1 合併と従業員の増加
Scene 2 人材募集と人事異動
Scene 3 人事異動と退職
EPISODE 2 取引
Scene 1 会員とのトラブル
Scene 2 都市開発
Scene 3 新サービス開始と新製品の発売
EPISODE 3 出張
Scene 1 旅費の払い戻し
Scene 2 出張先での宿泊
Scene 3 フライト
EPISODE 4 イベント
Scene 1 図書賞授賞式
Scene 2 チャリティーイベントの企画
Scene 3 全社セミナーとワークショップ
EPISODE 5 日常生活
Scene 1 下水道工事
Scene 2 美術鑑賞
Scene 3 社内バーベキュー
一冊の中でストーリーを作ったことは、
- 続きが気になるから、一冊を最後まで使う手助けになる
- 場面がフックになって、語句を記憶に定着しやすい
といったあたりで効果があるでしょう。
問題数はPart 5,6を合わせて120問程度ですので、特急シリーズや千本ノックシリーズと同程度です。
レベルは、現在500-600点レベルで、730点を目指す方向けとなっています。
実際に解いてみて、基本的な問題が多く取り上げられている印象を抱きました。
ぼくはこの本の解説部分の「一目でわかる注目すべきポイント」の示し方が好きです。
(問題のネタバレになりますので、雰囲気だけつかんでくださいね。)
見なくてよいところは薄いグレー文字で、見るべきところは黒文字で、
そして、視点を動かす順番が番号で記されています。
これはありそうでなかった見せ方でしたので、お気に入りです。
すでに特急シリーズや千本ノックシリーズがある中で出してきたシリーズですから、
新しい仕掛けが組み込まれていて、楽しめる一冊でした。残り3冊に取り組むのが楽しみです。
唯一、欠点?を挙げるとすると、ストーリーと文法定着は関係がなさそうということ。
語句を覚えるためにはよいのですが、文法をおさえるためには、他のシリーズ同様、地道に理解するしかありませんね。
iPhoneアプリはまだダウンロードしていないのですが、使用後にレポートをしたいと思います。