「通訳とは格闘技」長井鞠子さんのプロフェッショナルさに心打たれるの巻

今回は非TOEICネタです。ようやく時間を取って見ることができました。

プロフェッショナル

この番組をご覧になる方は多いと思いますが、その中でも自分の興味にピタリと合う方が出られるとますます面白いですよね。
今回は長井鞠子さん。同時通訳を40年もされていて、今も現役バリバリの70歳のお方。
サミットや貿易交渉、2020年の東京オリンピック招致活動にまで幅広くご活躍されているようです。

 

同時通訳者は日本語と英語を自在に操る最高峰のお仕事かと思いますので、
英語学習をされている方はぜひご覧いただきたい内容です。リンクはこちらから
(再放送は3/29の午前1時からだそうです。要チェック。)

 

以下、これからご覧になる方はネタバレになりますので、ご了承くださいませ。
番組から印象に残った言葉を紹介します。

 

長井鞠子

 

「真剣勝負です。格闘技です」

片方の発言の意図を理解し、それを別言語で瞬時に伝えなくてはならないのは、ものすごい瞬発力が求められます。
通訳という仕事への強い思いとその過酷さが端的に詰まった一言です。
おそらく一瞬たりとも気の抜けない仕事でしょう。自分の番が終わった長井さんがぐったりしていたのは印象的でした。
 
 
 

「英語力×日本語力」

長井さんは「耳馴染みのいい日本語」を追い求めながら、通訳をされているとおっしゃっていました。
日本語力を高めるために、和歌を読んだり作ったりという稽古をしているそうで、徹底ぶりには驚かされました。
本来であれば英語を勉強すべきかもしれないけれど、日本語を大切にしたいという思いが伝わってきます。
 
ここは我々英語学習者も忘れてはいけない視点なのではないでしょうか。
「英語は英語で考える」ことが最終地点だとしても、日本語で考えることのほうが多いはずですし、
いざ日本語を使ってみたらお粗末では、日本語母語話者として恥ずかしい、とぼく自身は思います。
英語という言葉ばかり学んで、その他がおろそかにならないようにしたいですね。
 
 
 

「準備と努力は、裏切らない」

「準備できたかもしれないのに、80%だからいいやって思うのは私は嫌ですね」とも。
長井さんご自身が一度大失敗をされた経験を経た言葉でしたので、さらに重みのある言葉に感じられました。
一切の妥協を許さない姿勢は尊敬と感動をおぼえます。
 
通訳は失敗をして、名前に傷がついたら、次の仕事が来る確率が下がるはずですから、
一つ一つの仕事に対して、慎重さと丁寧さが張り巡らされているのだと思います。
 
この言葉は通訳という仕事に対するものではありますが、英語学習やTOEIC対策に励みになる言葉ですよね。
「正しい方向で」という言葉を付け足す必要があるとは思いますが、やった分だけ成果が必ずあると信じています。
 
 
 

「言葉を超えて、人をつなぐ」

これは長井さんの回のサブタイトルです。英語学習をしている方に向けたメッセージだとぼくは受け止めました。
この視点を忘れてしまっては、せっかく英語を学んでいるのにもったいないと思います。
英語を学んだならば、人とつながるために使ってみると、ますます人生が楽しくなるのではないでしょうか。
 
英語を学ぶも学ばないも自由。
話すために使うも使わないも自由。
 
ただ、「人とつながる」ために使えるという視点は忘れたくないですね。
 
 
 
 
最後に、長井さんの定義する「プロフェッショナルとは」を引用します。

一心にその道に邁進するという意味での我儘な力をもっている人。でも、これで私は極めた、トップに行ったと思ってしまったらもうそれは終わり。常に来る仕事にちゃんと向き合って準備を怠らない、それもプロの条件だと思います。

 
 
背筋の伸びる内容でした。
まだご覧になられていない方はぜひ。
 
 
2014年2月に著書を出されたようですね。『伝える極意』。
放送のタイミングを見ての発売とは…。さすが集英社、やりおる…。

porpor35

フリー編集者。校正や内容検討も行っています。 語学書→小中英語→ビジネス→語学書担当。 専門学校や大学で TOEIC の講師の担当をしています。 大学で言語学を専攻。本/言葉を愛してます。 留学なしでTOEIC990獲得。現在は、TOEIC SWで満点獲得が目標。

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