Tag

Tag Archive

TOEIC のリスニング満点の壁は「同時通訳」をしていることにあった、という仮説

 

第212回の TOEIC 公開テストの結果分析に書きましたが、
Listening が475点で4年ぶりのスコアとなりました。

201607_TOEIC_LR

 

毎日スコアシートを見ては、自分を奮い立たせつつ、
「なぜこのようなことが起きたのか?」を分析しています。
そこで出た一つの仮説をみなさんと共有したいと思っています。

 

その仮説とは、

 

同時通訳を行おうとしていることが壁になっている

 

というものです。

 

自分がリスニングをしているときの思考回路を分析してみました。
すると、音声を聞きながら、頭の中には、

 

・イメージ(映像)
・文字

 

の二つがごっちゃになって出てきている印象です。

 

つまり、イメージ(映像)にできていないところがある、ということです。
さらに言えば、自分は英語を文字認識をしている割合が少なからずある、ということです。

 

ぼくは「イメージ(映像)化しよう」という意識でリスニングには臨んでいます。
イメージ(映像)にできた部分は直感的に意味をとらえられるのですが、
それがうまくいかないときには、日本語が飛び出てくるというわけですね。

 

日本語という文字としてつかんだ情報は、内容を掴みとるのに時間がかかってしまいます。
そういった文字情報は、急いで英語から日本語へ「翻訳」をしていることになります。

 

これはつまり、英語を日本語に高速変換していることになりますが、
やはりそれだと音声のスピードに追いつかないところも出てくるんですね。

 

その癖を取り去らないと、いつまで経っても、
ブレイクスルーは訪れない気がしています。

 

もちろん、同時通訳がプロレベルに達しているのであれば、
ここが壁になることはないのでしょうけれど、
中途半端に力がある状態でやろうとすると、
自分のリスニング力が十分に発揮できないのだと思った次第です。

 

だからこそ、英語をダイレクトにイメージ(映像)に直結させるトレーニングが必要になりそうです。
英語を聞いたり、音読をしたりしながら、常に映像化することを心がけていきます。

 

英語とキモチをつなげるトレーニングを改めて意識するためにも、
次の一冊を改めて読んでみますね。新たな発見がありそうです。

 

「通訳とは格闘技」長井鞠子さんのプロフェッショナルさに心打たれるの巻

今回は非TOEICネタです。ようやく時間を取って見ることができました。

プロフェッショナル

この番組をご覧になる方は多いと思いますが、その中でも自分の興味にピタリと合う方が出られるとますます面白いですよね。
今回は長井鞠子さん。同時通訳を40年もされていて、今も現役バリバリの70歳のお方。
サミットや貿易交渉、2020年の東京オリンピック招致活動にまで幅広くご活躍されているようです。

 

同時通訳者は日本語と英語を自在に操る最高峰のお仕事かと思いますので、
英語学習をされている方はぜひご覧いただきたい内容です。リンクはこちらから
(再放送は3/29の午前1時からだそうです。要チェック。)

 

以下、これからご覧になる方はネタバレになりますので、ご了承くださいませ。
番組から印象に残った言葉を紹介します。

 

長井鞠子

 

「真剣勝負です。格闘技です」

片方の発言の意図を理解し、それを別言語で瞬時に伝えなくてはならないのは、ものすごい瞬発力が求められます。
通訳という仕事への強い思いとその過酷さが端的に詰まった一言です。
おそらく一瞬たりとも気の抜けない仕事でしょう。自分の番が終わった長井さんがぐったりしていたのは印象的でした。
 
 
 

「英語力×日本語力」

長井さんは「耳馴染みのいい日本語」を追い求めながら、通訳をされているとおっしゃっていました。
日本語力を高めるために、和歌を読んだり作ったりという稽古をしているそうで、徹底ぶりには驚かされました。
本来であれば英語を勉強すべきかもしれないけれど、日本語を大切にしたいという思いが伝わってきます。
 
ここは我々英語学習者も忘れてはいけない視点なのではないでしょうか。
「英語は英語で考える」ことが最終地点だとしても、日本語で考えることのほうが多いはずですし、
いざ日本語を使ってみたらお粗末では、日本語母語話者として恥ずかしい、とぼく自身は思います。
英語という言葉ばかり学んで、その他がおろそかにならないようにしたいですね。
 
 
 

「準備と努力は、裏切らない」

「準備できたかもしれないのに、80%だからいいやって思うのは私は嫌ですね」とも。
長井さんご自身が一度大失敗をされた経験を経た言葉でしたので、さらに重みのある言葉に感じられました。
一切の妥協を許さない姿勢は尊敬と感動をおぼえます。
 
通訳は失敗をして、名前に傷がついたら、次の仕事が来る確率が下がるはずですから、
一つ一つの仕事に対して、慎重さと丁寧さが張り巡らされているのだと思います。
 
この言葉は通訳という仕事に対するものではありますが、英語学習やTOEIC対策に励みになる言葉ですよね。
「正しい方向で」という言葉を付け足す必要があるとは思いますが、やった分だけ成果が必ずあると信じています。
 
 
 

「言葉を超えて、人をつなぐ」

これは長井さんの回のサブタイトルです。英語学習をしている方に向けたメッセージだとぼくは受け止めました。
この視点を忘れてしまっては、せっかく英語を学んでいるのにもったいないと思います。
英語を学んだならば、人とつながるために使ってみると、ますます人生が楽しくなるのではないでしょうか。
 
英語を学ぶも学ばないも自由。
話すために使うも使わないも自由。
 
ただ、「人とつながる」ために使えるという視点は忘れたくないですね。
 
 
 
 
最後に、長井さんの定義する「プロフェッショナルとは」を引用します。

一心にその道に邁進するという意味での我儘な力をもっている人。でも、これで私は極めた、トップに行ったと思ってしまったらもうそれは終わり。常に来る仕事にちゃんと向き合って準備を怠らない、それもプロの条件だと思います。

 
 
背筋の伸びる内容でした。
まだご覧になられていない方はぜひ。
 
 
2014年2月に著書を出されたようですね。『伝える極意』。
放送のタイミングを見ての発売とは…。さすが集英社、やりおる…。

松本道弘先生の「紘道館」に潜入レポート

レポートが遅くなりましたが、1/11(土)に行ってきました。

あの

紘道館

 

 

に。

松本道弘先生の私塾です。ホームページはこちらです。

このブログの読者がどれだけ松本先生のことを知っていらっしゃるのかはわかりません。
たくさんの著書を書かれていたり、NHKテレビ上級英語講座の講師をされたり、
ディベートを世に広めた国際ディベート学会会長だったり…英語教育界でご活躍されている方です。
ここ最近、雑誌TIMEを英語学習の素材としているのも松本先生との出会いがあってこそです。

以前から、紘道館はディベートを中心に、非常にレベルの高いことを行っていると聞いていました。
紘道館の特長をホームページから引用させていただきます。

 

1.松本道弘先生 直接指導で英語と情理と哲学を学ぶ。
2.EDUTAINMENT(啓発的エンターテインメント、つまり笑いと泣き)を目指す。
3.雑誌TIMEを教材とし、「斬れる英語」のシンボルとロジックを学ぶ。
4.日本のディベート教育元祖:松本先生の私塾として、立体的なディベートに取組む。
5.松本先生から学びたい者のアゴラ(広場)として、オープンな私塾とする。
6.幅広い年齢層の塾生と一緒に学び、自らを活性化する。

 

ね、普通ではない感じが漂ってくるでしょう。笑

 

いつか参加してみたいなと思っていたのですが、
紘道館の存在は紘道館で教えを受けられている、

「上田式シャドーイング」を提唱されている上田あきらさん

「パワー音読」を提唱されている横山カズさん

からtwitter上で多くの刺激をいただいており、

「この人たちと一緒に学んでみたい」

「スピーキング力を高めるヒントを得たい」

といった気持ちから参加をさせていただくことに決めたのです。

 

本来、月の第一日曜日が例会という定例会なのですが、
今回は土曜日に初めての開催となる「ワークショップ」にお邪魔させていただきました。
上田さんや横山さんを初め、他にも英語学習者には有名な方が数人…。
TOEICの試験会場に行ったときと同じで、参加者が皆英語ができるように見えるんですよね…。
(実際、後でその凄さを見せつけられることになるのですが。)

 

で、ワークショップは少数精鋭でスタート。最終的には10人弱というところでしょうか。

上田さんがホストをつとめ、ウォーミングアップと題して、
日本語で自己紹介した内容を、ランダムで当てられた人が逐次通訳をする
というもの。

やばいところに入り込んでしまった、という気持ちになりました。笑

 

しかし、これが面白いこと。

 

他の方が自己紹介の大事なところをうまく英語にするのを聞くのは勉強になりますし、
自分は非常にたどたどしい英語ではありましたが、それを振り返ることも勉強になります。
何より「間違いを恐れず話してみる」という気持ちが鍛えられますね。

 

その後は、松本道弘先生とイングリッシュモンスター菊池健彦さんとの対談
松本先生が菊池さんにバシバシと「どのように英語を身につけたのか」を中心に質問。
非常に密度の濃い対話となりました。先生は切れ味鋭いご質問ばかりでした…。

 

続いて、早稲田大学で授業をされているネイティブの先生とそのお知り合い2人を加え、
白熱教室スタイルでディスカッション。テーマが定まらず、難しいところでした。
というか、そもそも英語で自分の思いを伝えようとすることさえ難しいのに、
テーマの内容が高度でしたので、入り込む余地がなかったです。悔しい。

前者は英語力の問題ですが、後者は言語ではなく思考の問題です。
普段から物事について考える癖をつけていないと、
こういうときに頭が動かないことを思い知らされました…。

 

そうこうしているうちに、あっという間に時間は過ぎ、その後は有志でお食事へ。
そこでは「上田式シャドーイング」「パワー音読」に関するお話や
参加者の普段の学習内容について意見交換をしました。
あまりの刺激で食事はそっちのけだったことを記憶しています。笑

 

本当に素晴らしい一日でした。

ご一緒させていただいた皆様、ありがとうございました!!

 

 

最後に。

参加者にはぼくの他にもTOEIC満点取得者がいらっしゃいました。
正直、その方々と同じように並べられるのは怖かったです。苦しかったです。

しかし、自分をさらけ出したことで、これから駆け上がることのできる道
自分の前にバーッと広がる世界があることに気づくことができました。

自分に足りないものが多く見つかるのが紘道館のいいところなんでしょうね。
現在のレベルにかかわらず、同じことをやらされるというのも、
厳しい環境に自分の身を置きたい方にはうってつけの場所です。
短い時間ではありましたが、非常に濃密な時間となったと思います。

この一日をさらに有意義だったものとするために、日々の努力を重ねていきます。
経過報告はブログでさせてください!