2018年4月に「ラジオ英会話」が10年ぶりにリニューアルされました。
講師は英語業界では知らない人はいない大西泰斗先生です。
大西先生がいなければ、このブログは存在していません。
というのも、最初はサインを自慢したくて発信し始めたという動機もあるからです。
そして、英語学習コンシェルジュとして活動しているぼくも存在していません。
先生に憧れ、一人でも多くの英語学習者を救いたいという気持ちがあったからです。
そんな大西先生は番組のリニューアルに寄せて、テキストに次のようなことを書かれています。
英語を話したいーーそれは多くの学習者が目標とするところですが、達成できた人はごく限られています。その原因のひとつは「基礎ができていない」ことです。「基礎が実践につながっていない」からでもあります。
ぼくは衝撃を受けました。
基礎ができても、実践に移していない自分がいる、と。
これは多くの方に当てはまる内容ではないでしょうか?
この問題提起に対して、この「ラジオ英会話」では次のような内容にしていくとおっしゃっています。
この1年間は、語順を中心に「話すための英語文法」を解説していきます。もちろん頭で理解しただけで英語を話すことはできません。それを番組中のトレーニングで自然な感覚にまで仕上げていきます。歪みなく英語のシステムを取り込み、英語という言葉のキモを身につけたなら、英語初級者(中学生レベル)は十分次の段階に進む準備ができます。またある程度英語学習を積んできた学習者なら、その知識に新しい光が差し込むことにより、またその知識の使い方が分かることにより、今の能力を爆発的に開花させることもできます。
そう、「話すための文法」です。
テキストの上部にも「会話に役立つ英文法」とありますから。
ぼくらは受験英語で「訳すための文法」は身につけていることが多いです。
そこを「話す」ことを念頭に置いたものにシフトしていく。
それがこの講座の目的というわけです。
文法を理解するだけではダメで、どんどんと実践していく必要がありますから、
実際に番組を聞いて、この講座を使い倒す勉強法(学習法)を編み出しました。
5つのステップ、と聞くと、楽そうですが、毎日続けるのは結構大変かもしれません。
- リアルタイムで番組を聞く
- 「言えない」英語を謙虚にチェックする
- 1.の直後にダイアローグを音読する
- 制限時間を設けてダイアローグを暗唱する
- 隙間時間にダイアローグを思い出す
では、ひとつずつ見ていきましょう。
1.リアルタイムで番組を聞く
次のつぶやきが多くの方に響いているのは同じことを思っているからでしょう。
大西泰斗先生の「ラジオ英会話」は英語を自在に操りたい人全員に聴いてほしい。1年間やったら相当力がつく。大事なのは継続する仕組み作り。ストリーミングで聴くよりもリアルタイムがよい。「あとで聴ける」と思ったら、習慣になりにくいし、聴くときの緊張感が弱まる。ぼくは昼食と紐づけて習慣化。
— porpor 英語学習コンシェルジュ (@porpor35) 2018年4月3日
ぼくは「実践ビジネス英語」をストリーミングで聞いているのですが、
「明日でいいか」のように、簡単に後回しにすることができます。
そこで、必ずリアルタイムで聞くようにしましょう。
朝と昼と夜と放送されていますので、自分の時間に合ったタイミングで固定します。
番組の時間は固定されているので、それを基準にして生活を組み立てることができるはず。
会社の会議や友人との約束などと同様に、「ここの時間は死守」という気持ちを持つことが大事です。
2.「言えない」英語を謙虚にチェックする
英語を長く学習されている方にとっては出てくる英語は易しめです。
しかし、「理解できることと話せることは別」ですよね。
そこで、一瞬でも「これ、言えない」と思ったら、チェックをしておきましょう。
例えば、「もう少し近くに行ってみよう」という日本語を英語にできますか?
答えはいたって単純です。
Let’s go a little closer.
これを「もう少し」だから a little で…などと言っていたら、会話では使い物になりません。
チェックする数が多いのは伸びシロだと捉えて、ガンガンチェックしていきましょう。
実は、大西先生のご自身のホームページに次のようなページがあります。
NHK 「ラジオ英会話」学習方法ガイダンス
この中に次のような記述があります。
テキストをお持ちの方の強みは、ダイアローグの文の1つ1つについて「自分でこの文が言えるか」の吟味を行えるところにあります。考えなければ言えない文がもしあれば、必ずすべて音読暗唱してください。会話の基本は、考えずに使える文をいくつ知っているかに依存します。
やっぱり「吟味」は省いてはいけない時間ですね。
3.1.の直後にダイアローグを音読する
「直後」と書いたのには理由があります。
番組の時間が決まっているので、そこに紐付けて学習を習慣化したいからです。
ラジオを聴く時間と「音読する」時間をセットにしましょう。
先ほどのつぶやきにもあるように、ぼくは昼食と紐付けています。
(習慣化のコツは普段の習慣にくっつけることです)
4.制限時間を設けてダイアローグを暗唱する
会話文はそれなりの分量があるのですが、すべて暗唱します。
以下のつぶやきにもあるように「10分間」と時間制限を決めています。
大西泰斗 @HIROTOONISHI 先生が講師の「ラジオ英会話」を視聴しました。「ふむふむ」と聞くだけではなく、「話す」時間が番組内に入っているのがありがたいです。ぼくはお昼休みに視聴した後、10分間ダイアローグを使ったトレーニングをします。出てくる言い回しは全部吸収して、口から出せるように。 pic.twitter.com/kvDbSfgsX9
— porpor 英語学習コンシェルジュ (@porpor35) 2018年4月2日
暗唱となると時間がかかると思い込んでしまうもの。
「10分でやってやる」と暗示をかけて、緊張感と学習の質を高めることが狙いです。
この制限時間は自分の英語力や記憶力によって決めるといいと思います。
ただ、あまり時間をかけすぎないことが重要です。
時間が長いと集中力が続きませんし、緊張感が下がります。
実際にトライをして制限時間を設定していくといいでしょう。
5.隙間時間にダイアローグを思い出す
英語を読んだり聞いたり書いたりするときには何かしらの道具が必要ですが、
英語を話すことにおいては「自分の身ひとつ」で学習を始められます。
現代ではふとした隙間時間はスマホをいじりがちです。
その気持ちをぐっと抑えて、ダイアローグを思い出してみましょう。
スラスラ言えたところは素直に褒める。
つっかかったり思い出せなかったりしたところは改めてチェックする。
人間は忘れていく生き物ですから、忘れることにはネガティブにならないことが大切です。
「忘れて当たり前」だから「思い出そう」というシンプルな学習を繰り返す。
大西先生はテキストのあいさつの最後に次のように書かれています。
大切なのは、毎日欠かさずやること。楽しく毎日聴いていただけたなら、皆さんはご自身の英語力の伸びに必ず驚かれることでしょう。
毎日、隙間時間を見つけては口を動かせば、自ずと英語力は伸びていきます。
話せる楽しさと話せないもどかしさを受け止めながら、前進していきましょう。
最後に、改めて大西先生の言葉をご紹介して終わりにします。
先ほどご紹介した大西先生のホームページの記事の最後が次のように締めくくられています。
さてこうした学習を続ければ、みなさんは1週間のうち英会話を改善するための文法事項を4つ、その類例およそ20。ダイアローグの暗唱を含めればそれをはるかに超える数の完全に自然な英文を、詳しい解説と共に頭に入れることになります。1ヶ月で80。一年で1000です。それだけしっかり頭に入って入れば、時に詰まることはあっても必ず英会話はできます。後は経験を積むだけですよ。
英語にアプローチする方法はさまざまです。ですがどんな技芸でも、基本をスキップして上達することはできません。この一年は僕と歯を食いしばってがんばる。その後は、自由で楽しい英語学習が待っているはずです。
歯を食いしばって、1年間一緒に走り抜けていきましょう!
(番外編)
番組でわからないところが出てきたら、『一億人の英文法』で調べるといいです。
50万部を突破した超ベストセラー文法書なので、お持ちの方も多いかもしれません。
ゆくゆくは番組内で説明されると思うのですが、それを先回りしておく作戦ですね。
大西先生の指導法がとっつきにくい方は『ハートで感じる英文法』がオススメです。
先生の真骨頂がここに詰まっていると思います。
ただ、絶版なのでプレミア価格になる前にお買い求めください…!