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【永久保存版】2022年ベストバイの英語教材

2022年はどのような英語学習の本を買いましたか?

2020年や2021年に引き続き、今年も勝手に開催いたします!

2022年に買うべき英語教材のご紹介です。

ぼくは学習者・講師・編集者・著者の側面を持っています。そのため、語学書に対してかなり目が肥えている自信がありますます。語学書業界には長年いるので、今後の学習にお役立ていただければ幸いです。

参考までに過去の教材紹介記事です。


2020年ベストバイの英語教材

http://www.toeic990er-for-learners.com/blog/?p=4919

2021年ベストバイの英語教材

http://www.toeic990er-for-learners.com/blog/?p=5148


今年ノミネートした本は11冊です。ジャンル別に紹介しつつ、最後にベストバイをご紹介したいと思います。(ただ今、選考中です)

☑︎師匠の追っかけは続く

勝手に英語教師の師匠として追いかけている大西泰斗先生の著作はすべて目を通しています。期待以上を超えてくるのが大西先生のすごさです。

『総合英語FACTBOOK』

大西泰斗著・桐原書店

神本、改訂版。各チャプターの冒頭にあるQRコードから飛べる動画が秀逸です。文法書は読むだけではなく、動画を見る・音声を聴くこともスタンダードにしたいという想いを感じます。

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『英語文法マップ』

大西泰斗著・NHK出版

日本人が英語習得で乗り越える壁である「語順の違い」に着目した一冊です。2020年度の「ラジオ英会話」を編集したもので、コンパクトにまとまっています。例文の量も適切で、数日で一気に読み終えると英語の見え方が変わるように感じます。

☑︎TOEICはリーディングセクション対策がブーム?

2022年、TOEICの運営団体であるIIBCが割と攻めてきましたね。公式系が市場を賑わせていたように思います。公式はある種殿堂入りであるため、それ以外の本をご紹介します。なんだかリーディングセクションの対策本が多めに感じます。

『TOEIC(R) L&R TEST 出る問特急 金の文法』

TEX加藤著・朝日新聞出版

TEX先生が手がけた問題は「公式系の次」にやっておくべきではないかと思うくらい良質です。文法問題の英文に収録されている単語がさりげなく新出なものもあり、素晴らしいですね。

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『TOEIC(R) L&R TEST 音読特急 速聴力をつける』

駒井亜紀子、Daniel Warriner著・朝日新聞出版

記事

voicy

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『TOEIC(R) L&R TEST 読解特急3 長めの記事編』

神崎正哉、TEX加藤、Daniel Warriner著・朝日新聞出版

改訂前は「上級編」でしたね。「350語くらいの長めの文章×記事」という高負荷なところが好きです。この本の英文がすらすらと読めるようになれば、本番は楽になるでしょう。ただ、この本を使いこなすには相当な英語力が必要です。

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『TOEIC(R) L&R TEST 超速スコアアップ特急 Part2&5を狙え』

Jun、Ross Tullock著・朝日新聞出版

短文から攻略という切り口が新しいです。対策に行き詰まっている人はこの一冊で短文パートをやり込むのも手です。Part 2は変化球の具合が絶妙で、Part 5は900overでも苦戦する問題が収録されていました。発音に踏み込む解説も好き。

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『TOEIC(R) L&R テスト 990点攻略 文法・語彙問題1000』

濱崎潤之輔著・旺文社

990点取得には Part 5 の語彙問題の詰めが欠かせません。リーディングセクションで495に近いスコアを目指す方は語彙問題だけでもやってみると良いですね。

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『解きまくれ! リーディングドリル TOEIC(R) L&R TEST PART 5&6』

大里秀介著・スリーエーネットワーク

Part 5 の問題はもちろん、Part 6 の重要な英文の解説に「構文解析」の説明があるのは素晴らしいです。この手の説明は省かれることが多いため、レアです。対象スコアが860点以上と高いですが、それより低くても英語の読み方を学ぶのにうってつけの一冊です。

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☑︎資格試験以外は昨年の反動?

いろいろな語学書を手広く見ていますが、「これはいい」と思えるものがあまりなかった印象です。2021年は資格試験を除いた「英語」の本が豊作だったからでしょうか。それでも、その中に素晴らしい本はあるのも確かです。

『今度こそすらすら読めるようになる「ニュース英語」の読み方』

三輪裕範著・ディスカヴァートゥエンティワン

校正で担当した本です。題材が2021〜2022年のものが主で、リアリティを持ちながら楽しめる一冊。記事もたくさん収録されていて、三輪先生の知見の深さに唸りました。資格試験を終えてから語彙力やリーディング力を伸ばしていく接続に使えます。

voicy

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『英語ライティングの極み』

鈴木瑛子著・DHC

極みと題しているだけあって、それなりの英文を書ける人が洗練されたものをアウトプットするための本です。その技術を50のルールにまとめたこともすごい!体系化されている証拠ですね。

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『1ヶ月で洋書が読める タニケイ式英語リーディング』

谷口恵子著・プチレトル

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『英語は決まり文句が8割』

中田達也著・講談社

タイトルにある通りで「もっと定型表現を仕入れねば」と思わせてくれます。決まり文句がなぜ重要かを示してくれるため、モチベーション維持にも役立つ内容になっています。


以上が2022年に気になった語学書です。まだ使い途中のものもあるため、終わり次第にYouTubeやvoicyでご紹介していきます。

では、最後にベストバイを僭越ながら選ばせていただきます。(ただ今、選考中です)

大西泰斗先生の『総合英語 FACTBOOK 例文完全マスター』刊行記念講演会に参加してきました

NHK の「ラジオ英会話」講師として有名な大西泰斗先生が新刊を出されました。

 

 

文法書の定番となりつつある『FACTBOOK』の例文集です。
「文法書に例文が書いてあるのに、なぜわざわざ別冊に?」と思われるかもしれません。
本書の冒頭に次のように書かれています。

基本例文(全815文)の内容を十分に「理解」し、さらに音読などのトレーニングを繰り返し行って基本例文を「暗唱」することにより、文法の力を話す力に結び付けるための例文集です。(中略)ただせっかく学習した語順も、そのメカニズムを「理解」しただけでは使い物にはなりません。「体に埋め込む」ことが大切です。考えずとも自然に感覚的に正しい語順を作ることができるところまで習熟しなければ、到底会話では通用はしません。

 

大西先生は他の著作やラジオ講座で、文法について説明しています。
ですが、これらを読んだり聞いたりするだけでは、理解で留まります。
理解した文法を自分の血肉にする時間や学習が必要というわけです。

 

そこで、この一冊が世間に送り出されたわけですが、
その発売記念として講演会が開催されました。
今回はその内容をコンパクトにお送りします。

 

1.先生のミッション
2.文法の内在化
3.圧倒的に足りていないモノ

 

それでは、先生の生の言葉を引用しながら、レポートさせていただきます!

 

 

1.先生のミッション

先生は講演会冒頭で次の発言をされていました。

 

日本人全員に英語を話せるようになってほしい

 

本を書くのも、ラジオ講座で話すのも、すべてはこのミッションに通ずるとおっしゃっていました。
今回の講演会のタイトルも「さあ話そう!」というものでした。
この発言を伺って、改めて学習者としても講師としても結果を出したいと感じています。

先生の言葉ではありませんが、強くお伝えしたいことがあります。
それは、学習者のぼくらは会話力を高めて、何かしらの結果を出す必要がある、ということ。
この結果によって、先生のミッションが達成されていくわけですから。

 

結果にこだわりましょう!

 

2.文法の内在化

次の発言は最初にも最後にもおっしゃっていたことです。

 

言葉自体を考えたらダメ

 

「この発言はこの文法を使って…」のように考えていたら、
会話にラグができてしまい、スムーズに会話をすることができません。
文法の組み立てを頭の中で経由してはダメ、ということです。

 

先生が例に出されていたものをご紹介しましょう。

 

We’ve been teammates for three years.(チームメートなんだよね)
We were teammates for three years.(チームメートだったんだよね)

 

前者は現在完了なので、「今」に焦点が当たっている形。
後者は過去形なので、「遠く離れた」出来事を表す形。

 

これらを日本語で言う場合は、文法などを組み立てないはずです。
英語も同じレベルに持って行く必要がある、というのが先生の主張です。

 

ぼくはこの意見に激しく同意です。
皆さんも同じレベルに持っていきたいと思いませんか?
頭の中で英作文をしていたら、会話のスピードについて行くことはできませんから。

 

だからこその音読。
先生は「質感とともに声に出す」とおっしゃっていました。
使われている文法の質感を理解した上で声に出す必要性があるということでしょう。
日本語を介在させずに感覚から直接音読ができるようにしたいものです。

 

3.圧倒的に足りていないモノ

文法を終えた後に、何を身につけていけばいいのか、についてもお話してくださいました。

 

★ひとくちサイズの定型表現
★場面に応じた文の部品

 

これだけではわかりにくいので、具体的な英語を見ながらご説明します。

 

★ひとくちサイズの定型表現

ぼくなりの表現をすると、熟語の一歩手前という感じです。

 

・おいしそう:look delicious
・一口、いい?:Can I have a bite?

 

何気なく使われる英語をどんどんストックしていこうという話ですね。
この「ひとくちサイズの定型表現」はぼくがストックしているものと共通しているので、
今度、別の記事で、集め方とストックの仕方をご紹介したいと思います。

 

★場面に応じた文の部品

講演会では提案が例に出されていました。
提案を一つ取っても、強度によって使い分ける必要があります。

 

強い提案であれば、
・will have to
・had better
・see no alternative but to
などが挙げられていました。

 

弱い提案であれば、
・you could always
・it might be a good idea to
などが挙げられていました。

 

先ほどの定型表現よりは難易度が上がる内容ではありますが、
自由に会話をしていくためには必要な学習だと考えています。
先生によれば、「ラジオ英会話」の最後の三ヶ月(1~3月)のテーマはここだとのこと。
それまでに、基本動詞や定型表現をストックしていきたいものですね。

 

以上、講演会の参加レポートでした。

 

 

講演会後に、サイン入りのTシャツや色紙をかけてのじゃんけん大会が行われました。
参加者はざっと100人はいたはずですが、なんと勝ってしまいました……。

 

 

今年の運は使い果たしたようなので、じっとしていようと思います……
なんてつもりはなくて、これを起爆剤にして、英語も仕事も加速させていきます!

 

(補足)
大西先生の英文法書は『一億人の英文法』と『FACTBOOK』がありますが、
実際に紙面を見て選ぶことをオススメします。
『一億人の英文法』の例文集も出ているので、どちらでも同じ勉強法ができます。