先日、とあるセミナー(イベント)で『TOEIC テスト 新公式問題集 Vol.5』の
Part 3 を使ったアクティビティーがあったんですね。
日本語訳を参考に、英語をアウトプットするというペアワークでした。
そこで使われた素材が、以前、暗唱をしようと何度も練習したスクリプトだったので、
試しに暗唱をしてみせたら、相手が「え?」みたいな表情をしていました。
「いきなり何も見ずに読まれても気持ちが悪いから」
こうとまで言われかねない表情だったので、「なぜだろう」と考えたところ、
いわゆる TOEICer の方々が相手であれば、「そういう人もいるよね」で済むのですが、
よくよく考えたら、万人受けするパフォーマンスではないですね。
これからは時と場所を考えてから、暗唱は披露しようと思った日だったのでした。
(暗唱を披露するという考え方がそもそもおかしい。)
さて。
スクリプトを暗唱するという行為は、誰にでもが行って欲しいというものではありませんが、
ある程度の文章やストーリーを「頭の中にストック」しておくと、効果を発揮する場面がたくさんあります。
いくつかのスクリプトを暗唱してから気づいたことをまとめておきましょう。
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TOEIC の本番でストーリー展開の予測がしやすくなる
TOEIC のスコアアップという観点で、最もメリットを享受できるポイントであります。
無限のパターンがあるように見える会話やトークの中にも、ある程度、限られた方向があります。
ですから、多く知っていればいるほど、先の予測に役立つわけですね。
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Part 3, 4 で使われる表現に精通する
スコアアップにつながるポイントとして、もう一つ挙げられる点です。
暗唱をすることによって、提案や依頼、問題提示などストーリー展開につながる表現がストックされます。
そうすると、展開に敏感になり、リスニングがぐっと楽になります。
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覚えた英文の形(構文)が別の場面で使える
TOEIC のスコアアップと言うより、アウトプット力の底上げにつながります。
TOEIC の SW テストには、確実につながりますね。
長めの主語が言えたり、説明語句を後に後に並べる形が使えたり。
複雑な英文も言えるようになっていく、というイメージですね。
もちろん、同じ表現をそのまま使える場合はありますが、さほど多くありません。
ですが、覚えた英文の単語を入れ換えて、アウトプットする場面は十分にありえます。
というか、実際にそういった場面に遭遇したことはあります。
今でも忘れません。スウェーデンでの出来事です。
TOEIC の世界で「サイズ変更の申し出」の話はよくありますね。
ぼくはその内容の Part 3 を暗唱していたおかげで、少しの単語を入れ替えて、
パソコンのケースのサイズを変更してもらったことがありました。
前に書いた通り、「暗唱は必須ではない」という主張は変わっていません。
というのも、覚えることが目的になってしまって、一番大事な「聞く」ことを疎かにするからです。
ぼくがよくお伝えするのは
「暗唱ができるくらい聴き込め」
です。
TOEIC で問われるのは「聞く」ことですから、聞かないことには始まりません。
手段と目的がごっちゃにならないように、暗唱とは付き合っていきたいものです。