英語力を向上させるために、「音読」が有効なのは何度も聞いたことがあるはずです。でも、正しい方法で音読していると自信を持って言えるでしょうか? 講師や学習者によって、やり方や力を入れるポイントが人によって異なるため、戸惑っている方もいると思います。

ぼく自身、TOEIC 対策で音読を取り入れたことがありました。ただ、効果があまり感じられずにやめた経験があります。
「音読が有効なことはわかったが、具体的なステップがわからない」
その悩みを解決する一冊が世に出ました。TOEIC を音読で攻略したい人は必読の一冊です。今まで「TOEIC ×音読」と真正面から捉えたものはなかったように思います。TOEIC 対策を始めた頃に欲しかったです、本当に。

『TOEIC(R) L&R TEST 音読特急 速聴力をつける』
駒井亜紀子、Daniel Warriner著・朝日新聞出版
もくじは以下の通りです。
第1章 音読トレーニングをはじめる前に
音読トレーニングの効用
音読トレーニングのメニュー
第2章 パート3でトレーニング(39問)
問題演習+音読トレーニング
仕上げのトレーニング
第3章 パート4でトレーニング(30問)
問題演習+音読トレーニング
仕上げのトレーニング
構成はシンプルです。問題演習とトレーニングが中心です。でも、シンプルだからと言って、侮るなかれ。
音読が効く理由がわかるから、納得して音読できる
第1章だけで価値ある内容です。5つの効用が挙げられているのですが、すべて納得できる内容です。正直、これらを早く教えてほしかったと思っています。対策当時の自分がやっていた音読は甘いものだったと思い知らされたからです。
いかにトレーニング内容が素晴らしくても、その内容に納得感を持てなければ、効果が半減してしまいます。ここで音読がいかに効果的かを実感することで、その後のトレーニングも実りあるものになるでしょう。
豊富な問題量で、たくさんトレーニングできる
パート3, 4 が本番と同じ量だけ収録されています。ぼくは全問を解答しましたが、本番に近いレベルの問題が収録されているように感じました。定番の問題から、唸らされる問題も。
ただ、この本はトレーニングがメインで、解説の後に5ステップの音読ができるように設計されています。「○○を△回」のように、具体的に掲載されているので、迷わずに音読トレーニングに励むことができます。
このトレーニング方法は一生モノで、他の問題にも応用できるのも良いところですね。
とっつきやすい発音アドバイスを楽しめる
実際に紙面を見ていただくのが早いのですが、発音記号を使わずに、カタカナを使って絶妙な感じで発音が表されています。書かれた通りに声に出すと、その通りにできるからおもしろいものです。英語の発音が苦手という方こそ、この本で練習することをオススメします。
以上、『音読特急』のレビューでした!
個人的な一番の見どころは「長いまえがき」です。これを読んだら、使い込みたくなること間違いなし。