
TOEIC のリスニングセクションでは、Part 3, 4 が難しいのは間違いないです。
問題数が多いですし、設問と選択肢を読む時間も必要になるからです。
難しさや問題数の多さから、Part 3, 4 の対策に集中する人が多い。
しかし、手前の Part 2 を意外に落としていることはありませんか?
もし「Part 2 は Part 3, 4 の対策をすれば解ける」と思っている人がいたら、
この記事をお読みいただくと、Part 2 の対策の必要性を実感するはずです。
お手元にスコアシートがあったら、次のグラフの数値を見てください。
<1本目の棒グラフ>
間接的な表現に関するもの
短い会話、アナウンス、ナレーションなどの中で明確に述べられている情報をもとに要点、目的、基本的な文脈を推測できる
<3本目の棒グラフ>
直接的な表現に関するもの
短い会話、アナウンス、ナレーションなどにおいて詳細が理解できる
これらの棒グラフの数値が低い人は必見です。
というのも、これらは Part 2 での間違いによるものかもしれないからです。
「Part 2 に特化した勉強法を知りたい」
「たくさん問題を解いているものの、正答数が上がらない」
具体的であり、正答数アップに効く勉強法が知りたいのではないでしょうか。
学習者として実践してきた方法を伝授することによって、
多くの方が Part 2 の正答数アップを実現してきました。
そのため、再現性があることは間違いないと思います。
最初に Part 2 の出題傾向の分析をすることから始めます。
そして、TOEIC 対策をゴリゴリとやっていた時の
Part 2 の問題集と勉強法をシェアしてまいりましょう!
難しいのが当たり前の Part 2

形式が変わる前の TOEIC では、Part 2 は「易〜普通」の部類でした。
「文頭の数語を聞き取れれば正解が取れる」という問題が比較的多く、
「Part 2 が難しい」という声はさほどなかったように思います。
ぼく自身も苦手意識はありませんでした。
ところが、形式が変わり、年を経るにつれて、難しくなってきました。
大きく分けて二つのポイントがあるように感じています。
✅ ナレーターに癖がある
新しいナレーターが出てくるだけで、難しく感じる人は多いでしょう。
以前は『公式問題集』を聞き込んでいれば対応できたものの、
今は新しいナレーターが出てきて「聞き取れない」となる人が多数続出します。
✅ ひねった返答が増えている
年々目立つようになったのが「ひねった返答」です。
「いつですか?」に対して、「書類に書かれているよ」のような、
間接的な返答が増えてきたのは間違いありません。
アビメ(棒グラフ)の見方

最初にスコアシートの棒グラフについてお話ししましたが、
よく見ると「アビリティーズ・メジャード」と書いてあるはずです。
TOEIC 界では、これを略して「アビメ」と呼びます。
そのアビメの一つ目が、まさにひねった返答への出来具合を示しています。
ここには Part 1 の出来も含まれており、一概には言えないのですが、
Part 1 は多くの人が正解しているでしょうから、
数値が低い原因は Part 2 にあると言っていいでしょう。
ぜひ今までのスコアシートを引っ張り出して、分析してみましょう。
具体的な勉強法
ここまでに以下の2点についてお話ししました。
・Part 2 が難しくなった
・原因の一つが「ひねった応答」
とすると、
どのように「ひねった応答」に対応していくかが肝になりますよね。
ぼくがやってきた勉強法をお伝えします。
✅ ディクテーション(聞いて書き取る)
ディクテーションをすでに取り入れている方は多いかもしれませんが、
ぼく自身は、900点を超えてから行った勉強法です。
その時点になって「Part 2 で落としている」現実に向き合ったわけです。
ディクテーションをするためには、細部の音を拾って書き出すため、
「音に慣れる」ことができるようになりますね。
意味を理解するためには、音を拾う必要があります。
そのために、ディクテーションはうってつけの勉強法でしょう。
正直、やるのが面倒な勉強法ですが、地味だけど効くものだと実感しています。
✅ 繰り返し聞く
とてつもなく当たり前なのですが、書き取って満足してはいけません。
音と内容を一致させる時間が必要になります。
「正しい音をインプットする」べく、何度も聞くようにしましょう。
最初はスクリプトを見ながらで大丈夫です。
聞き取れるようになってきたら、目を離すようにするといいでしょう。
この時に「最初の数語だけ」と手を抜かずに、全文を聞き取るようにすること。
最初の数語を聞き取るだけでは対応できない問題が増えているからです。
トレーニングの際には、負荷をかけることによって、
本番では余裕を持って対応できるようになるはずです。
✅ 会話のパターンを暗記する
力技ではありますが、会話の流れを覚えるのも有効な手段です。
「こういう返答もある」という引き出しが多ければ多いほど、
変化球が来た時に対応できるようになるからです。
会話の流れを覚えるために、ぼくは「一人二役アクティング」を提唱しています。
自著『戦略特急 スコア育成計画』の中で説明しているので、引用いたします。
理解度が最高に達した「会話のパターン」を自分の体に染み込ませるために「一人二役で演じる」のです。会話文の場面や感情を疑似体験して音読してみましょう。
『戦略特急』より引用
情景(場面)を想像しながら、なりきり英会話を楽しみましょう! TOEIC のナレーターはフラットな、冷静な感じで読んでいますが、練習のときは感情(気持ち)を込めるくらいがちょうどいいです。ぼくは身振り手振りも交えながら、一人二役を演じることで、Part 2 のパターンをストックしてきました。大げさなくらいに演じて、英語を体に染み込ませましょう!
*『戦略特急』では他にも復習方法をご紹介しています。
有効な教材(問題集)

勉強法がわかれば、あとは問題を使って勉強あるのみです。
以下に、マストであると思える教材をご紹介します。
と言っても、数は多くありません。
当時は『公式問題集』を6冊ほどはやっていたでしょうか。
この発言に対しては「これ」という発言は頭にストックされていたはずです。
次は、公式以外の教材です。
「TOEIC L&R TEST パート1・2特急」のシリーズです。
有名な「特急シリーズ」の定番(に入って欲しい)ものですね。
役立ったと実感する教材は案外少ないですが、
その他にも模試はいろいろとやったため、
Part 2 だけでも1000問はやっている
はずです。
目指すスコアによってはここまでやる必要はありません。
自分の目標に合わせて、場数を踏んでいきましょう。
なんだかんだで場数を踏めば、TOEIC の動きも見えるものです。
まとめ
TOEIC のスコアアップを狙う上で、
リスニングセクションを早めに上げておくのは鉄則です。
多くの人が Part 3, 4 にフォーカスをしていますが、
Part 2 にも目を向けてみてはどうでしょうか、というご提案でした。
場数を踏みながら、効果の出る勉強法を実践していきましょう。