Tag

Tag Archive

何度も同じ問題を使って、同じ頭の動かし方ができるか

NHKに「プロフェッショナル 仕事の流儀」という番組がありますね。
昔から好きな番組の一つなので、時間があれば見るようにしています。
先日放送されていた、ヴァイオリニストの五嶋みどりさんの回を何気なく見ていたときのこと。
(ぼくは音楽に疎いのですが、世界の最高峰として30年以上活躍されている方だとか…)

 

プロフェッショナル

 

朝からヴァイオリンの指導をされて、夜の12時からご自分の練習をされていました。
出演されるコンサートの演奏のための準備をしている場面だったのですが、
その曲はすでに何度も演奏したことのある曲だったそうです。

 

それだけ繰り返していれば、もう練習する必要すらないのでは、と思うものの、
五嶋さんは気になるところを見つけては、何度も何度も繰り返し練習をしていたのです。

 

この姿は心を打たれましたね。

 

どこまで高いレベルに行っても、準備には余念がありません。
自分の理想の姿を本番でも出せるように、再現性を追い求めているのです。

 

無理矢理な感じがあるかもしれませんが、TOEICに通じるものがあると感じました。
ぼくの周りにいる高得点者には次のことが共通しています。

 

どこまで高いレベルに行っても、準備には余念がない。
同じ問題を繰り返し取り組むことで、本番でも同じ頭の動かし方をできるようにしておく。
そうすることによって、本番でもその力を再現することができる。

 

何を持って「プロフェッショナル」というかはわかりませんが、
何かを極めようとする人には共通点があると、この番組を見る度に思います。

本田圭佑選手が見せた「自分との対話」

前回の記事「プロフェッショナル本田圭佑選手から学ぶ「課題との向き合い方」」の続きです。
「プロフェッショナル」という番組の中で心に残った部分を紹介しています。

本田圭佑

本田選手はストイックな姿勢が有名ですが、練習風景の中に興味深い部分がありました。

 

フリーキックの練習をしている場面なのですが、
蹴る前や蹴った後に「自分に話しかけている」のです。

 

「集中しろ」
「なにやってんだ」
「お前ならできる」

 

自分に向けて、叱咤激励をしているわけです。

 

この姿を見て(聞いて)思うところはありませんか?
ぼくは次のようなことをすぐに思いました。

 

「あ、これ、自分もやってる」

 

決して本田選手と自分を同列に並べたいわけではありません。
ただ、勉強をしながら、声に出すことはありませんが、

 

「今、頭がさぼったな」
「口だけ動いている状態だな」
「もっとやれる」

 

などなど、自分と対話をしています。
ここで、自分の思考回路や気持ちを客観的に分析しているのです。
特に、TOEIC でスコアが伸び悩んだときには、徹底的に内省していたと思います。
(そして、その内省した内容がブログの記事にもつながっています。)

 

皆さんがどの程度、自分との対話をされているかわかりませんが、
自分が英語力やスコアを伸ばしてきた要因の一つにあると感じています。
普段、自分との対話をする機会のない方は、英語学習のときだけでも取り入れてみてください。

プロフェッショナル本田圭佑選手から学ぶ「課題との向き合い方」

2014年のサッカーワールドカップ間近ということで、
本田圭佑選手を取材した「プロフェッショナル」という番組が放映されていましたね。
ご覧になった方はいらっしゃいますでしょうか?
(個人的に、本田選手のストイックさを尊敬する TOEIC 学習者は多い気がします。)

 

本田圭佑

 

まだ前半(第1回)しか見ていないのですが、思わず見入ってしまいました。
自分の弱点を分析し、徹底的に向き合う姿は、プロの凄みをまざまざと見せつけられた気がします。
自分より上のレベルにいる人間とのギャップを確認し、それを埋めるために努力を惜しまない。
その姿勢はかっこよく、非常に刺激になりました。
なかでもレベルアップするために見つけた課題との向き合い方は、
スポーツのみならず、さまざまな場面で応用できるのではないかと思います。
もちろん、英語学習、そして TOEIC のスコアアップにも、です。

 

  • 課題はまだまだ伸びる証

 

本田選手は次のように述べていました。

 

世界で一番課題が多いと思います。そこに伸びシロを感じているんです。

 

この言葉は自分を卑下しているのではなく、客観的に自分の力を見定めているのでしょう。
そして、ネガティブにとらえがちな課題をポジティブにとらえています
この考え方はぼくらが盗むべきポイントだと思います。

 

弱点や苦手な点を見つけると、嫌な気持ちになるものです。
本田選手はそこを否定しているのではなく、受け入れた上で、
将来の自分の成長した姿をイメージして、楽しんでいるわけです。

 

「単語が覚えられない」
「この Part が苦手」
「読解力が伸びない」
「解答スピードが上がらない」

 

英語力を上げていく上での悩みは絶えないものです。
ですが、本田選手を見習って、先を想像して、成長過程を楽しんでいきたいですね。

 

もう一つ、この番組で面白いと感じたポイントがあるのですが、
それは次の記事に譲ろうと思います。

「通訳とは格闘技」長井鞠子さんのプロフェッショナルさに心打たれるの巻

今回は非TOEICネタです。ようやく時間を取って見ることができました。

プロフェッショナル

この番組をご覧になる方は多いと思いますが、その中でも自分の興味にピタリと合う方が出られるとますます面白いですよね。
今回は長井鞠子さん。同時通訳を40年もされていて、今も現役バリバリの70歳のお方。
サミットや貿易交渉、2020年の東京オリンピック招致活動にまで幅広くご活躍されているようです。

 

同時通訳者は日本語と英語を自在に操る最高峰のお仕事かと思いますので、
英語学習をされている方はぜひご覧いただきたい内容です。リンクはこちらから
(再放送は3/29の午前1時からだそうです。要チェック。)

 

以下、これからご覧になる方はネタバレになりますので、ご了承くださいませ。
番組から印象に残った言葉を紹介します。

 

長井鞠子

 

「真剣勝負です。格闘技です」

片方の発言の意図を理解し、それを別言語で瞬時に伝えなくてはならないのは、ものすごい瞬発力が求められます。
通訳という仕事への強い思いとその過酷さが端的に詰まった一言です。
おそらく一瞬たりとも気の抜けない仕事でしょう。自分の番が終わった長井さんがぐったりしていたのは印象的でした。
 
 
 

「英語力×日本語力」

長井さんは「耳馴染みのいい日本語」を追い求めながら、通訳をされているとおっしゃっていました。
日本語力を高めるために、和歌を読んだり作ったりという稽古をしているそうで、徹底ぶりには驚かされました。
本来であれば英語を勉強すべきかもしれないけれど、日本語を大切にしたいという思いが伝わってきます。
 
ここは我々英語学習者も忘れてはいけない視点なのではないでしょうか。
「英語は英語で考える」ことが最終地点だとしても、日本語で考えることのほうが多いはずですし、
いざ日本語を使ってみたらお粗末では、日本語母語話者として恥ずかしい、とぼく自身は思います。
英語という言葉ばかり学んで、その他がおろそかにならないようにしたいですね。
 
 
 

「準備と努力は、裏切らない」

「準備できたかもしれないのに、80%だからいいやって思うのは私は嫌ですね」とも。
長井さんご自身が一度大失敗をされた経験を経た言葉でしたので、さらに重みのある言葉に感じられました。
一切の妥協を許さない姿勢は尊敬と感動をおぼえます。
 
通訳は失敗をして、名前に傷がついたら、次の仕事が来る確率が下がるはずですから、
一つ一つの仕事に対して、慎重さと丁寧さが張り巡らされているのだと思います。
 
この言葉は通訳という仕事に対するものではありますが、英語学習やTOEIC対策に励みになる言葉ですよね。
「正しい方向で」という言葉を付け足す必要があるとは思いますが、やった分だけ成果が必ずあると信じています。
 
 
 

「言葉を超えて、人をつなぐ」

これは長井さんの回のサブタイトルです。英語学習をしている方に向けたメッセージだとぼくは受け止めました。
この視点を忘れてしまっては、せっかく英語を学んでいるのにもったいないと思います。
英語を学んだならば、人とつながるために使ってみると、ますます人生が楽しくなるのではないでしょうか。
 
英語を学ぶも学ばないも自由。
話すために使うも使わないも自由。
 
ただ、「人とつながる」ために使えるという視点は忘れたくないですね。
 
 
 
 
最後に、長井さんの定義する「プロフェッショナルとは」を引用します。

一心にその道に邁進するという意味での我儘な力をもっている人。でも、これで私は極めた、トップに行ったと思ってしまったらもうそれは終わり。常に来る仕事にちゃんと向き合って準備を怠らない、それもプロの条件だと思います。

 
 
背筋の伸びる内容でした。
まだご覧になられていない方はぜひ。
 
 
2014年2月に著書を出されたようですね。『伝える極意』。
放送のタイミングを見ての発売とは…。さすが集英社、やりおる…。